神奈川県横浜市のローカルメディア「森ノオト」を運営する認定NPO法人森ノオトがクラウドファンディングで運営資金を募っている。目標金額を100万円として11月1日から12月25日まで実施している。
「森ノオト」は広告を掲載しておらず、ローカルメディアの運営方針に共感した読者からの寄付で運営してきた。
運営体制を強化するために毎年一定の期間に寄付をよびかけることとし、今回はじめて寄付を募ることにしたという。
「森ノオト」は、市民ライターを募集し「書き手の暮らしから生まれる関心ごとを取材し、記事にして発信してき」た。
そのためにも「ライターが取材を通じて伝えたいことを正直に発信するため、広告に頼らず寄付を募ってメディアを運営して」いるという。
「「今、話題だから」「有名人だから」ではなく、市民ライター自身が普段の暮らしの中で出会った地域の人、活動を、「誰かに知ってほしい」と思って」記事にしているという。
「どこかで聞いた話ではなく、市民ライター自身の「おいしい」「たのしい」「助けられた」「感動した」という、心が動いた実体験が入っていること」も大切にしているという。
個人がSNSで手軽に情報発信できる時代ではあるものの、書き手と編集者の複数の視点や意見を取り入れること、つまり「一人で書かないこと」を大切にしている。「社会のさまざまな意見や視点を反映し、信頼できる情報を届けられるメディアを育てて」いくという。
2023年度は52人が書いた記事を135本掲載し、75の取材先を取り上げた。取り上げたテーマは地域の店舗やコミュニティ、農、福祉、子育て支援団体などの地域活動だ。
こうした記事は、編集会議・記事企画・取材・執筆・数回にわたる編集をへて掲載され、SNSでも発信されるという。
「森ノオト」では1本の取材記事に対して、二人の編集者が目を通す体制を構築しているが、ライターが増えてライターと編集者とのコミュニケーションが課題となっている。
2023年度から4つのテーマにわけて活動するチーム制を導入したというが、2024年度はチームごとに編集者をおくことで、丁寧なメディア運営の継続を目指すという。独自の編集者の育成にもつなげたい考えだ。
また、「森ノオト」のライターはボランティアとして取材・執筆をしているが、運営者が交通費程度の経費を支払っているという。
経験豊富なスキルのあるライターが活動を継続するために、一定の水準を満たすライターには原稿料を支払うことにした。良質の記事を継続して発信するという。
こうした施策により、「森ノオト」の運営費が年間600万円にのぼる見込みだ。現状の体制でも500万円はかかるというが、既存の寄付とは別にクラウドファンディングで100万円を集めたい考えだ。
寄付を募った運営資金は編集者の増員や、ライターへの原稿料のほか、SNSやメールマガジン発信、企画スタッフの人件費、サイトのサーバー費に充当するという。
「森ノオト」ではローカルメディア運営で培った編集力やライター育成のノウハウ、広報力を生かし、横浜市各区のローカルライター講座も開催している。
さらに、認定NPO法人森ノオトは2013年からエコ&サスティナブルをテーマとしたマルシェ「あおばを食べる収穫祭2023」を開催している。取材を通じてつながった横浜市青葉区の飲食店・店舗がおもに出店する。
会場ステージの音響・DJ・進行司会も連携している地域の他のNPOや市民ライターが担っているという。
ローカルメディアの運営をこうしたイベントの運営にもつなげたいという。
【11/1〜12/25】まちをつなぎめぐらせるローカルメディアを続けたい!森ノオトは55日間のクラウドファンディングに挑戦します。(森ノオト)
【11/1〜12/25】まちをつなぎめぐらせるローカルメディアを続けたい!森ノオトは55日間のクラウドファンディングに挑戦します。
クランドファンディングのウェブサイト
https://syncable.biz/campaign/7295
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