狭いものであれば大都市圏のある鉄道駅周辺やある地区、広いものでは都道府県単位といった特定の地域にフォーカスするニュースサイト/ウェブメディア/ウェブマガジン/ウェブサイトである、ローカルメディア。

ウェブ上で展開されるメディアだけに、その運営にはウェブコンテンツを公開するためのプラットフォーム、つまりコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)が欠かせない。

仮にCMSを利用することなくローカルメディアを運営するとなると、新たなニュースを投稿するたびにコーディング作業が必要になり、収益性や速報性に不都合が生じるだろう。

そのために、ブログやSNSを更新するようなインターフェースでニュースを投稿できるCMSがすべてのローカルメディアで利用されているはずだ。

全国ローカルニュースサイト名鑑では、集録しているローカルメディアについてそのプラットフォーム(CMS)を調査して掲載している。

当名鑑で集録されているローカルメディアが利用するプラットフォームで最も多いのは、WordPressだ。当名鑑が2020年5月末現在で集録する約750のローカルメディアのうち、約610のローカルメディアがWordPressで運営されている。そのシェアは8割を超える。

全世界で公開されるウェブサイトの6割超がWordpressを採用しているという調査結果もあるが、それを大きく上回る支持を集めている。

WordPressはオープンソースソフトウェア(OSS)であることから使用料が不要であること、さらにCMSとしてデファクトスタンダード化していることで、日本語でも技術情報にアクセスしやすいことが、採用されている理由であろう。

しかも日本のレンタルサーバーで標準的に利用できるLAMP環境(Linux、Apache、MySQL、PHP)で作動し、比較的挙動が軽いこと、SEOに強いとされることも支持される要因だ。

さらに豊富なテーマには、ウェブマガジン向けのものが多くあり、運営者の意図するデザインでローカルメディアを立ち上げられることも支持を集めているようだ。