ローカルメディア(ローカルニュースサイト/地域情報サイト)の分布は、人口と強い相関がある。2020年5月現在、当「全国ローカルニュースサイト名鑑」では750を超えるローカルメディア(ローカルニュースサイト/地域情報サイト)を集録している。

都道府県別のサイト数を見ると、東京都が111で最多だ。それに次ぐのが大阪(86)、神奈川(44)、兵庫(41)、北海道(33)、福岡(30)、千葉(29)、埼玉(28)だ。

これをみると、やはり大都市圏や面積が広いなどの理由で人口の多いところに、ローカルメディアが多く存在する。

その要因として考えられるのは、人口が多いほど―運営者が多い、ユーザーが多い、ニュースが多い、広告主が多い、という経済的な背景だ。

ローカルメディアを運営するには、担い手が必要だ。人口が多ければ多いほど運営者となりうる人材が豊富だということになる。そのため東京都内でも、人口の少ない都心部ではローカルメディアの数が郊外よりも少ない。

また、ローカルメディアの多くは収益化を目的としており、そのためには多くのユーザー(読者)を集めなければならない。地域の情報を扱うローカルメディアが多くのユーザーを集めるためには、やはり人口が多いほうが有利だ。

さらに、人口が多いということは経済活動や文化活動がそれだけ活発になる。経済活動や文化活動が活発であればニュースのネタが多いということだ。ニュースがなければローカルメディアは更新されず、ユーザーも集められなくなってしまう。

そして最後に、人口が多ければ広告主が多いということも、人口が多ければローカルメディアが多く存在するという要因だ。バナー広告や記事広告などのローカルメディア自らが募る広告主は、やはり人口が多く、経済活動が活発な地域のほうが多い。

Google Adsenseなどのネット広告やアフィリエイトもユーザーが多いほうがよい成績を出せるわけで、やはり人口が多いほうが有利だということになる。

ただ人口の割に、ローカルメディアの数が極端に多かったり、少なかったりすることもある。福岡県は多く、京都府や愛知県(24)は少ない。

これは県民性などの要因もあるとみられ、今後詳細に調査を行いたい。