ローカルメディアは何らかのミッションがあって運営される。そのミッションは大きく分けて以下のものがある。

  • 収益型
  • 本業連動型
  • まちづくり型
  • 移住促進型
  • 自己実現型

ローカルメディアのミッションの類型について述べる。

収益型

もっとも多くみられるのが収益型だ。ローカルメディアを運営することで、コンテンツを閲覧するユーザーやPVを増やし、その結果掲載した広告の収入を得ようとするものだ。

本業連動型でありながら、広告を掲載する収益型と本業連動型の重複パターンもある。

本業連動型

企業や団体、個人事業主が自己の本業との相乗効果を狙ってローカルメディア運営をするものだ。ローカルメディアを見たユーザーが、本業の顧客になることを期待している。いわゆるオウンドメディアとしての性格もある。

本業は、企業や個人事業主であればウェブ制作やデザイン、ライター系が多い。ローカルメディア自体が、ウェブサイトの制作やデザイン、ライティングの能力を示すポートフォリオとして機能する。

ほかにも不動産業が営業エリアへの集客を目的としたり、金融機関が地域経済の振興を図ったり、放送局が自らのメディアの接触率を上げるために運営するものがある。

また同時代的な類型としては、コワーキングスペースやレンタルオフィスを運営する事業者がローカルメディアを運営することで地域コミュニティーの活性化を図るものもある。

まちづくり型

地域振興・地域活性化を目的としてローカルメディアを運営するものだ。ローカルメディアという存在そのものが地域振興・地域活性化の要素たりえるのだが、特に地方自治体や商業施設などが、エリアマネジメントを目的に運営することがある。

まちづくり型の場合はその性質やその運営者の性格上、収益型と重複することはあまりない。

移住促進型

ある意味まちづくり型の亜種ではあるが、移住促進型という類型がある。おもに、住人減少に悩む地方の自治体や外郭団体などが、移住を促進して人口を回復(あるいは維持)しコミュニティーを守ることを目的にローカルメディアを運営し、移住に興味のあるひとに訴求するものだ。

地域の情報を発信することで話題作りを行い、他のメディアで紹介されることにより集客を狙ったり、そもそも観光やビジネスのためにある地域に興味を持った人に、移住したいと思わせることが目的だ。

まちづくり型と同様の理由で、収益型と重複することはあまりない。

自己表現型

上記の類型のいずれにも該当しないものだ。収益化していないローカルメディアで、とくにほかのミッションを課していないものだ。

労力も時間も必要なローカルメディア運営を収益化するでもなくおこなっているのは、趣味というか自己の存在証明や思いを吐き出すためといえるだろう。

ローカルメディア運営にはドメインの費用やサーバーの費用など少なからず経費がかかるので、多少なりとも収益化することがほとんどで、自己表現型というのはほぼ見かけない。