地上波テレビ放送局がローカルメディアを運営する動きが広がっている。愛知県のCBCテレビがINCLUSIVEと組んで2016年6月に立ち上げた「CUCURU」を皮切りに、2018年には大阪府の読売テレビ系の「anna」が立ち上がった。

2019年には北海道文化放送の「SASARU」、福岡放送の「ARNE」も運営を開始しており、今後も地上波テレビ放送局によるローカルニュースサイト/ローカルメディア/地域情報サイトの運営が広がりそうだ。

背景にあるのはメディアとしてのテレビの地位の低下だ。YouTubeなどの動画配信サービスが伸びていることから、視聴率の低下に歯止めがかからない。さらに2019年にはネット広告費がテレビ広告費を超え、広告メディアとしての圧倒的地位を失った。

地上波テレビ放送局がローカルニュースサイト/ローカルメディア/地域情報サイトを運営するのは、広告収入を得ることも目的ではある。しかし、それ以上に重要なミッションはメディアとして多角化展開することで、メディアとしてのプレゼンスを維持することだ。そして本業のテレビ視聴につなげたい思惑もあるようだ。