全国各地で長年にわたってグルメやイベントなど街の情報を伝えてきたタウン誌(タウン情報誌)が紙媒体の発行を取りやめて、ローカルメディア(ローカルニュースサイト/地域情報サイト)に転換する動きが広がっている。

1994年から島根県・鳥取県で発行されてきたタウン情報誌「Lazuda」も2019年5月にフリーペーパーとローカルニュースサイト/ローカルメディア/地域情報サイトに転換した。2011年から石川県で発行されてきたフリーペーパー「BONNO」は、2019年8月にローカルニュースサイト(ローカルメディア)に転換した。

また、紙媒体を廃刊しないまでも、ウェブ版をローカルニュースサイト(ローカルメディア)として運営する媒体は2015年ごろから増えている。1990年に創刊した栃木県のタウン誌「ついんと」は2015年にウェブ版の運営を始めた。2017年5月には、福岡のタウン誌「シティ情報ふくおか」が「FUKUOKAナビ」、熊本のタウン誌「シティ情報くまもと」が「KUMAMACHIナビ」の運営を始めている。

大手広告代理店の電通によると2019年にネット広告費がテレビのそれを上回り、媒体別の広告費のトップに躍り出た。新聞や雑誌の広告費は長期低落に歯止めがかからない。

中でもタウン誌(タウン情報誌)など地方で発行される雑誌の広告費は、大きな影響が出ているとみられ、事業の存続が危ぶまれる媒体も多い。ウェブ版でネット広告を取り込むことで事業の継続をはかる、あるいは編集や印刷、配本に大きな経費がかかる紙媒体を廃止し、ローカルニュースサイト(ローカルメディア)に活路を見出しているようだ。