アメリカでハイパーローカル・メディアが好調な業績を上げていることを、Forbes JAPANが伝えた。特に「Patch」がその成功例だという。

年商は推定21億円超。2019年のユーザー数は3200万人、2020年3月の月間ページビュー数は1億4800万PVに達するという。

100名を超える記者が、1200超のコミュニティをカバーして、一日に1000本以上のニュース記事を投稿しているという。それぞれのコミュニティは3万人以上の読者を抱えるという。

例えばマンハッタンで「ウェスト・ビレッジ」や「グリニッチ・ヴィレッジ」など12のコミュニティをカバー。交通事故や犯罪、店舗の開店・閉店、不動産など、地元密着情報を扱うという。

まさに日本のローカルメディアと同様のコンテンツだ。数多くのコミュニティに横展開しているさまは、本氣メディアの「号外NET」と通じるものがある。

しかし収益構造(マネタイズ)は、彼我で異なるようだ。従来型メディアと違い、読者から購読料を取らず広告のみで運用していることは同様だが、広告の性質を異にする。

日本ではGoogle Adsenseなどのコンテンツ連動型広告配信サービスを軸に、バナー広告や記事広告で収益を上げているが、Patchは「イベントカレンダー」機能、クラシファイド広告(三行広告)などジオターゲティング(地域密着型)広告が主だという。

このForbes JAPANの記事では、そのほかにも日本の「マチマチ」がインスパイアされた地域密着型SNS・ローカルメディア「Nextdoor」、「The Longmont Leader」「Mahoning Matters」などのローカルニュースサイトも紹介しており、ローカルメディアのマネタイズについて示唆的な内容となっている。

米国で勃興する「超地元密着型メディア」のビジネスモデル